経営力向上計画の策定の方法(書き方)
経営力向上計画に関して策定の方法、つまり書き方をご紹介する。
書く上でなにをポイントとすべきか、をまずご紹介し、次に具体的な手順について説明していく。
書く際に重要なポイント
まず、重要な書く際のポイントから。まず結論から言うと、内容にこだわり過ぎたり複雑に書かないこと。書くべきことを漏らさず書くことが重要である。
1.内容の善し悪しはあまり問われない。書く必要のあることのみ記入する。
これはとても重要である。経営力向上計画の策定が進まない方の相談にのる時に、最もよくある進まない原因は「如何に良く書くべきか」「如何にオリジナリティのある計画にすべきか」ということにこだわり過ぎていることが多い。
しかし、あくまでこの制度は、策定された経営力向上計画に点数をつけて可否を判断するものではない。国の指針に沿った計画であることが求められている制度ということである。
つまり内容の善し悪しは問われることはほぼないので、あまり余計なことは考えずに書く必要のあることのみを書こう。
2.書くべきことを手引きと記載例に沿って、自社の計画にする。
では上に述べた書く必要のあることを書くためにはどうすべきか。答えを簡単にいえば、手引きを参考にしながら、記載例に従って書けば良い。
まずは余計なことを考えずに下記の手順などを参考にそのとおりに進めてみてほしい。それさえすれば無事に認定される。
実際に作成しよう
実際の作成手順を簡単に、かつ間違えたり悩んでしまうことが多い点を中心に述べていく。
ここに書いていいない詳細は経済産業省のHPの「手引き」と「記載例」(下記リンク)に詳しいのでそれを見てほしい。
1.申請書様式をダウンロードしよう。
まずは経済産業省HPから申請書様式をダウンロードしよう。
上記リンクのHPの下記の赤囲みをクリックして「【記入用】経営力向上計画認定申請書」というワードファイルをダウンロードする。その申請書に記入していく。
2.自社の基本情報を記入しよう。
「手引き」に従って、申請書に自社の住所や代表者名、設立年月日等を記入しよう。
《下画像は経済産業省HP「経営力向上計画策定の手引き」より抜粋》
よく質問があることを紹介する。
【Q1】法人番号がわからない。
【A1】株式会社や有限会社等の方は下記のサイトで検索すると法人番号がわかる。
また、個人事業主の方は空欄にしておけばよい。
【Q2】「事業者の氏名又は名称」欄のフリガナのワードでの付け方がわからない。
【A2】下記の記事などを参考。
【Q3】事業分野がわからない。
【A3】計画に係る事業の属する事業分野を自社で判断して書く。中小企業は他分野に渡って事業展開している所も多いが、ここではこの計画で進める事業に関しての事業分野を記入する。
【Q4】事業分野別指針がどれなのかがわからない。
【A4】下記リンクから自社の事業分野に該当するものを選ぼう。それでもわからない場合は経営力向上計画の問い合わせ窓口に問い合わせると教えてくれる。窓口の連絡先は「手引き」の最終ページなどに記載されている。
【Q5】実施期間をどれくらいにすればよいかわからない。
【A5】ルールでは36ヶ月か48ヶ月か60ヶ月である。当社の支援先では60ヶ月に設定しているところが大半である。
3.自社の現状認識と指標を記入しよう。
「手引き」に従って、自社の現状認識と指標を記入する。
《下画像は経済産業省HP「経営力向上計画策定の手引き」より抜粋》
ここで重要なのが、文章の文量と、記入する内容である。
まず、文量については手引き程度で良い。記入者が手引きを参考にせず独自で文章を記入した場合、とても長い文章になることがよくある。ただそうやって独自で作成した文章は、長すぎたり文脈が整理できておらず何が言いたいのかが、よく分からない文章になってしまうことが多いように感じられる。
その場合、提出したあとも修正依頼を求められることも多いので文章は必要最低限、つまり手引き程度の文量で十分である。
次に内容に関しても手引きの内容を参考にし、それを自社に置き換えれば良い。そうすれば短く文脈の分かりやすい文章になる。
また、文章の内容作成にあたっては各事業分野の記載例がとても参考になる。よって自社の事業分野の記載例と手引きの文章を参考にしながらそれを自社に置き換えていく方法が一番スムーズだと思う。
記載例は当該HPの下記赤囲みに掲載されている。
また、指標に関しては下記で紹介している。
4.経営力向上の内容を記入しよう。
次に経営力向上の具体的な実施事項などを記入しよう。ここが策定する際の最もわかりにくい点かもしれない。
ここの「実施事項」欄は、経営力向上のために取り組むことを取組ごとに具体的に記載する。
留意点としては取り組む事項の数と内容である。
《下画像は経済産業省HP「経営力向上計画の記載例(製造業)」より抜粋》
「実施事項」の数について
まず実施事項の数に関しては、企業の事業分野と企業規模によって異なる。
具体的な数に関してはそれぞれの事業分野別指針(下記リンク)に記載されているのでそれで確認する。
たとえば製造業の場合はその指針の中の下記画像(製造業指針の8ページ下段)のようになっている。
「実施事項」の内容について
内容に関して重要なのは、各企業が独自で何を実施しても良いということでなはい、ということ。あくまで事業分野別指針に沿って取り組みを行う計画策定することが重要である。かつ、自社の現状で記載した自社の弱みや課題を改善・解消し経営力の向上が期待できる取組や自社の強みを活かし取り組むことで経営力の向上が期待できる取組等であることが望まれる。
たとえば製造業の場合は上記の指針の5ページ下段から8ページ中段までその内容が記載されているのでそれに沿って、自社の求められている数だけ実施事項を記入すれば良い。
実施事項の内容としてはその指針の中に丁寧なわかりやすい文章で実施事項の詳細も記載されているのでそれをほぼコピーアンドペーストし、若干自社の内容に変更する程度で良い。これを無理に自社で文章を作ってしまうと第三者から見てよくわからない文章になってしまう。
5.資金の調達方法や導入設備経営力向上の内容を記入しよう。
最後に資金の調達方法などを記入する。これに関して手引きの下記のページを熟読して記載してほしい。
まとめ
以上が経営力向上計画の書き方である。
重要なことは繰り返しになるが、手引きや記載例に沿って適切に記入をしさえすれば基本的には認定されるということ。なので、独自の判断は入れずに手引きに従って記入しよう。
また、自社ですべてを完結させるのが難しい場合は経営力向上計画の相談窓口や認定支援機関に相談すると丁寧に回答してくれ、スムーズである。
ほか、経営力向上計画に関しての概要や書き方の記事を下記にてまとめているので、こちらも参考にしてください。