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【2026年度予想・前編】IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更|背景と申請枠の変更予測

補助金や中小企業支援制度

はじめに

2026年度(令和8年度)から、現行の「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更される見通しである。中小企業のDX推進とAI活用を後押しする制度として、内容の拡充が期待される。

本記事(前編)では、名称変更の背景と申請枠の変更予測について解説する。


IT導入補助金からデジタル化・AI導入補助金へ

名称変更の背景

政府は「AI活用による中小企業の生産性向上」を重要政策として掲げている。従来の「IT導入」から「AI導入」を明示的に打ち出すことで、中小企業のAI活用を加速させる狙いがあると考えられる。

令和8年度の経済産業省概算要求においても、DX推進・AI活用は重点テーマとして位置づけられている。

制度の基本的な枠組み

名称は変更されるものの、制度の基本的な枠組みは現行のIT導入補助金を継承すると予想される。

  • IT導入支援事業者(ベンダー)を通じた申請方式
  • 事前登録されたITツールのみが補助対象
  • 電子申請システムによる申請
  • GビズIDプライムアカウントが必須

2026年度の申請枠予想

1. 通常枠(継続)

業務効率化やDX推進を目的としたITツールの導入を支援する枠である。

予想される内容

項目 予想
補助上限額 150万円~450万円(現行維持)
補助率 1/2(最低賃金近傍事業者は2/3)
対象 業務管理、顧客管理、データ分析等のソフトウェア

新たに追加される可能性のある対象

  • 生成AIツール(ChatGPT連携システム等)
  • AI分析・予測ツール
  • 業務自動化(RPA・AI-OCR等)ツール

2. インボイス枠(継続または縮小)

インボイス制度対応のITツール導入を支援する枠である。制度導入から一定期間が経過したため、縮小または統合の可能性がある。

予想される内容

項目 予想
補助上限額 50万円~350万円
補助率 中小企業 3/4、小規模事業者 4/5
対象 会計・受発注・決済ソフト、レジ・券売機等

3. セキュリティ対策推進枠(継続・拡充)

サイバーセキュリティ対策を支援する枠である。政府のセキュリティ強化方針を受け、拡充が予想される。

予想される内容

項目 予想
補助上限額 150万円~200万円(増額の可能性)
補助率 1/2
対象 セキュリティサービス、UTM、EDR等

4. AI活用枠(新設の可能性)

AI活用に特化した新枠が創設される可能性がある。

予想される内容

項目 予想
補助上限額 200万円~500万円
補助率 1/2~2/3
対象 AIを活用した業務効率化・データ分析ツール

2026年度の重点テーマ

近年のトレンドから、2026年度の重点テーマは以下の3つと予想される。

1. DX(デジタルトランスフォーメーション)推進

企業全体の業務連携やデータ統合を支援するツールが対象拡大の可能性がある。単なる業務効率化ではなく、ビジネスモデルの変革につながるデジタル化が重視される。

2. AI活用

生成AI・自動分析ツールなど、業務効率化を超えた「戦略的IT活用」への支援が強化される見通しである。2026年度はAI関連のITベンダー登録が増える見込みであり、AIツール導入を検討している企業にとってチャンスが広がる。

3. サイバーセキュリティ

政府方針として中小企業のセキュリティ強化を支援する流れが継続する。ランサムウェア対策やサプライチェーンセキュリティへの対応が重要テーマとなる。


注意事項

本記事の内容は、2025年度までの実績と令和8年度概算要求をもとにした予想である。実際の制度内容は、当初予算や補正予算の成立を経て決定されるため、変更される可能性がある。

正式な公募要領が発表され次第、最新情報を確認いただきたい。


次回(後編)の内容

後編では、補助対象経費の拡充予想、採択率の動向と対策、2026年度に向けた準備のポイントについて解説する。


参考情報

本記事は2025年12月時点の情報および予想に基づく。正式な公募要領は公式サイトにて確認いただきたい。

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