「事業継続力強化計画」の認定制度がスタートしました
「事業継続力強化計画」の認定制度が昨日7月16日より施行されました。
現時点でわかっている概要をご紹介します。
制度の趣旨
近年、大規模な自然災害が全国各地で頻発しています。
しかしそれに対する事前対策をしている中小企業は少数です。
中小企業庁は、中小企業の自然対策に対する事前対策(防災・減災対策)を促進するため、防災・減災に取り組む中小企業が事前対策計画を策定することを支援し、その策定した計画を認定する制度です。
制度のイメージは下記のようになっています。
認定される税制面等での主な支援策(メリット)
認定を受けた中小企業は、税制優遇や金融支援、事前対策の計画を立てることで防災対策強化につながるだけでなく、補助金の加点などの支援策が受けられます。
主な支援策(メリット)は下記のようなものです。
とくにものづくり補助金など、補助金獲得を予定されている企業は早めの対策がおすすめです。
- ものづくり補助金等の補助金が優先して採択される(加点される)
- 対象の防災・減災設備が税制優遇される
- 低利融資等の金融支援を利用できる
ほか、メリットなどは上記のURLにわかりやすいリーフレットにまとめられています。
《下画像は「事業継続力強化計画」のひとつ》
認定までの流れと提出書類
認定までの流れは下記のようになります。
【認定までの流れ】
- 制度の利用を検討/事前確認・準備
- 事業継続力強化計画の策定
- 事業継続力強化計画の申請・認定
- 事業継続力強化計画の開始、取り組みの実行
流れの詳細は下記URLの「事業継続力強化計画策定の手引き」6ページにあります。
また、提出する書類は下記になります。
【提出書類】
① 申請書(原本)
② チェックシート
③ BCP等の参考書類がある場合は、その書類
④ ①~③の電子データ(PDFファイル)が格納されているCD-R
⑤ 返信用封筒
書類の量としてはほかの認定制度と比較しても簡略化されていて取り組みやすくなっています。
また、経営力向上計画は事業によって担当当局が違い、どこに提出するか分かりにくかったですが、本制度は経済産業局のみが提出先になっているので書類提出の流れも分かりやすいです。
計画策定の難易度と策定手順
難易度としては、採択率は100%に近いのではないかと当社では考えています。
経営力向上計画や先端設備等導入計画と同様に、あくまで中小企業の前向きな姿勢を支援する制度で、計画の優劣を問うものではないからです。
ただし、計画策定にあたっては「落ちる」ことはないかもしれませんが、計画内容に不備などがあると修正などが求められるので適切な形で提出すべきでしょう。
計画策定手順は簡単に言うと、申請様式をダウンロードし、手引きを参考にしながらまとめていきます。
策定の難易度は経営力向上計画より少しむずかしい程度だと感じます。
しかし災害対策を考えるのに慣れている方は社内に少ない(もしくはいない)と思うので、そういった点で災害対策そのものを学習する時間や社内調整は相応にかかると思います。
まとめ
認定されるための計画策定自体はできる限り簡素に設定されており、それでいて災害対策に有効な計画が策定できる良い制度だと思います。
全国各地で毎年、自然災害が発生しているのでこれを機に、自社の対策をすすめ、認定にトライされてみてはいかがでしょうか。