2020年（令和2年）実施のものづくり補助金は、
4次締切の公募要領が発表されました。
今回からは「一般型」に加え、「グローバル展開型」の内容も追記されています。

今回はその「グローバル展開型」について現時点(2020.8.10)でわかっている情報についてまとめています。

補助金額が最大3000万円のものづくり補助金「グローバル展開型」の概要

「グローバル展開型」の補助金額など概要は下記のとおりです。
補助金額上限３０００万円はやはり魅力的ですね。

【補助金額】
１０００万円〜3000万円

【補助率】
中小企業 １／２、 小規模企業者・小規模事業者 ２／３

「グローバル展開型」の応募要件

通常の要件に加えて、下記のいずれかの類型に当てはまる必要があるようです。
①海外直接投資
②海外市場開拓
③インバウンド市場開拓
④海外事業者との共同事業

④は共同する場合、ほかの事業者と調整する必要があるなどハードルが高い企業が多いかと思います。
よって、以下、とくに当てはまりやすいであろう①〜③についてご紹介します。

ものづくり補助金「グローバル展開型」①海外直接投資について

類型①海外直接投資、の条件は下記のようになっています。

• 国内事業と海外事業の双方を一体的に強化し、グローバルな製品・サービスの開発・提供体制を構築することで、国内拠点の生産性を高めるための事業であること。
• 具体的には、国内に所在する本社を補助事業者とし、補助対象経費の２分の１以上が海外支店の補助対象経費となること、又は海外子会社（半数以上の発行済株式の総数又は出資価格の総額の２分の１以上を補助事業者が所有している、国外に所在する会社）の事業活動に対する外注費（本補助金の補助対象経費の範囲に限る。一般管理費は含まない。事業実施に不可欠な開発・試作にかかる業務等を想定）若しくは貸与する機械装置・システム構築費（本補助金の補助対象経費の範囲に限る。）に充てられること。
• 国内事業所においても、単価５０万円（税抜き）以上の海外事業と一体的な機械装置等を取得（設備投資）すること。
• 応募申請時に、海外子会社等の事業概要・財務諸表・株主構成が分かる資料、実績報告時に、海外子会社等との委託（貸与）契約書とその事業完了報告書を追加提出すること。

ちょっと条件がややこしいですね、、。
簡単に言うと、類型名のとおり、海外直接投資を主に行う設備投資にあてはまるようです。
ただ、海外拠点がある必要性がありそうなので応募できる中小企業はそんなに多くはないと感じています。

ものづくり補助金「グローバル展開型」②海外市場開拓について

類型②海外市場開拓、の条件は下記のようになっています。

• 国内に補助事業実施場所を有し、製品等の販売先の２分の１以上が海外顧客となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。
• 応募申請時に、具体的な想定顧客が分かる海外市場調査報告書、実績報告時に、想定顧客による試作品等の性能評価報告書を追加提出すること。

この条件は①と比較して、国内に補助事業実施場所を有すればよいのでハードルは低い気がします。
また、「製品等の販売先の２分の１以上が海外顧客」が引っかかる点で、直接的な海外顧客か、もしくは間接的に海外顧客に販売するか、で応募できる可能性が相当変わってくると思います。
中小企業でも製造製品が最終的に（間接的に）、海外に販売している企業は少なくないのでそういった企業も対象になるのであれば
応募できる企業は多くなってきますね。
ただ、今回の公募要領ではその辺りまでの詳細は開示されていないので、続報を待つか事務局に問い合わせてみましょう。

ものづくり補助金「グローバル展開型」③インバウンド市場開拓について

類型③インバウンド市場開拓、の条件は下記のようになっています。

• 国内に補助事業実施場所を有し、サービス等の販売先の２分の１以上が訪日外国人となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。
• 応募申請時に、具体的な想定顧客が分かるインバウンド市場調査報告書、実績報告時に、プロトタイプの仮説検証の報告書を追加提出すること

インバウンド市場を開拓する設備投資ですが、
現状では海外との渡航はまだ制限が大きいです。
こういった最中にインバウンド市場向けの設備投資をする企業がどれだけいるかは個人的には懐疑的ではあります。
ただ、国内市場が縮小していく中で長期的なインバウンド市場の開拓は至上命題なので、
いまから取り組まれる企業はぜひチャレンジしたいですね。

まとめ

ものづくり補助金「グローバル展開型」もついに始まりました。
ただ、現状の公募要領では詳細まで記載されていないので、
応募要件に当てはまるかどうかは事務局などに問い合わせてみないとなんとも言えない企業が多そうです。

実際、ものづくり補助金のHPでも現時点では
『グローバル型に関するお問い合わせにつきましては、近日中に「よくあるご質問」を更新いたしますので、そちらをご覧ください。』
という記載があります。
つまり、まだ詳細は今後徐々に決まっていく、という感じなのかな、と感じています。
また、細かい情報等更新されましたらこのブログでもお知らせしていきます。