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【徹底解説】省力化投資補助金(一般型)第6回公募の変更点まとめ|第5回との違いを詳しく比較

2026年3月、中小企業省力化投資補助金(一般型)の第6回公募要領が公開された。

第5回からいくつかの重要な変更が加えられており、申請を検討している事業者は内容を十分に理解しておく必要がある。本記事では、第5回と第6回の主な変更点を詳しく解説する。


1. 投資回収期間の計算式が変更された

定義条項(1-2)における投資回収期間の算出式に「年間稼働日数」が加わった。

第5回(旧)

投資額 ÷(削減工数 × 人件費単価 + 増加した付加価値額)

第6回(新)

投資額 ÷(削減工数 × 年間稼働日数 × 人件費単価 + 増加した付加価値額)

削減工数を日次単位で設定している場合、年間稼働日数を乗じることで年間削減額に換算される仕組みとなる。事業計画書(その3)に記載した数値の再計算が必要である。


2. 補助対象外事業が明確化・追加された

1-7「補助対象外となる事業」に、第6回から新たな除外事項が追加された。

第6回で新たに追加された補助対象外事業

  • 利用者への有償提供を含む事業:「利用者に有償で提供する設備、システム、サービス等の開発・改良を含む内容の事業」が明示的に除外対象となった。SaaSや受託サービスへの転用を想定した計画は対象外となる。
  • 汎用設備・パッケージソフトの単体導入:「汎用設備、パッケージソフト等のオーダーメイド性のない設備・システムを単体で導入する事業」が除外対象として明文化された。複数の汎用設備を組み合わせて省力化効果を生む場合は引き続き対象となる。

第5回では記載のなかった項目であり、申請内容が抵触しないか改めて精査が必要である。


3. 補助対象経費の範囲が一部整理された

既存システム連携のための改修費用が対象に

第5回では「既存システムのバージョンアップ・改修費用」は一律補助対象外とされていた。第6回では「補助事業にて新規に開発・導入するシステムと連携するための改修費用は対象となります」との注記が追加された。

新規システムとの連携に必要な改修コストを計上できるようになったため、既存の基幹システムと連携するシステム開発を検討している事業者にとって有利な変更である。

ソフトウェア月額・年額利用料の位置付けが明確化

機械装置・システム構築費の「借用」には、ソフトウェア・システムの月額・年額利用料は該当しないことが明示された。該当する場合はクラウドサービス利用費として計上する必要がある。


4. 加点項目が2つ新設された(計9項目へ)

第5回の7項目から第6回は9項目に拡充された。

番号 加点項目 第5回 第6回
1 事業承継・M&A
2 事業継続力強化計画 ○(加点上乗せ方式に変更)
3 成長加速マッチングサービス
4 地域別最低賃金引き上げ
5 事業場内最低賃金引き上げ
6 えるぼし認定
7 くるみん認定
8 省力化ナビ加点 ○(新設)
9 健康経営優良法人加点 ○(新設)

省力化ナビ加点(新設・第8項)

応募申請締切日までに中小機構「省力化ナビ」を活用し、生産性向上の知見を確認した事業者が対象となる。本事業申請に用いるGビズIDプライムと「省力化ナビ」活用時のIDが一致している必要がある。省力化ナビは2026年3月末に公開予定とされている。

健康経営優良法人加点(新設・第9項)

「健康経営優良法人2026」に認定されている事業者が対象となる。未取得の事業者は認定取得の検討を推奨する。

事業継続力強化計画の加点が上乗せ方式に

第5回では計画の認定取得のみが加点要件だったが、第6回では「申請システムでの実施状況の振り返り報告」や「複数回の認定取得」によって加点が上乗せされる仕組みに変更された。すでに認定を取得している事業者は振り返り報告の実施状況も確認しておくことを勧める。


5. 減点制度に「過剰投資の抑制」が新設された

第6回から、減点制度に新たな条件が追加された。

特定の期間に類似のテーマ・設備等に関する申請が集中している場合、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあるとして別途審査が行われ、過剰投資と判断された申請には減点が課される。

AIシステムや特定のロボット設備など、同一カテゴリへの申請が集中しやすい領域では注意が必要である。申請するシステム・設備の必要性と自社への適合性を、具体的な根拠とともに事業計画書に記載することがこれまで以上に重要となった。


6. 口頭審査の対象案件が明確化された

項目 第5回 第6回
対象の基準 一定の基準で選定 ソフトウェア投資・システム開発等、書面では詳細を正確に理解しにくい案件を中心に選定
実施方法 オンライン(Zoom等) オンライン(Zoom等)

ソフトウェア・システム開発を含む申請では口頭審査の可能性が高まる。申請事業者自身が計画内容を詳細に説明できる準備が一層重要となった。


7. 交付申請の期限管理が厳格化された

項目 第5回 第6回
交付申請の期限 採択決定から2か月以内(特段の事情があれば相談) 採択発表日から2か月後の日を原則期限として明示
期限超過の場合 連絡がない場合に取消の可能性 期限内に申請がない場合は採択決定の取消

第6回では「原則取消」として明確化された。やむを得ない事由がある場合は事前に事務局へ連絡のうえ理由書を提出すれば対応可能だが、採択後のスケジュール管理を従来以上に徹底する必要がある。


8. 交付申請に必要な書類が追加された

第6回で追加された書類

  • 全従業員分の賃金台帳(応募申請の直近決算月分):交付申請の共通提出書類として新たに追加された。採択後に速やかに準備できるよう、申請前から書類整備を進めておくことを推奨する。

任意書類として追加

  • 導入予定機械装置等の仕様・積算根拠が分かる書類(参考見積書・カタログ・提案書・仕様書等):50万円以上の機械装置・システムについて、応募段階から可能な限り提出することが推奨された。事前着手に抵触しない範囲での取得準備を進めることが望ましい。

9. その他の変更点

みなし大企業の定義が拡張

「中小企業者」が「中小企業者等」に変更され、対象範囲がより広く明確化された。

補助対象外事業者の対象が変更

観光庁の除外対象に「観光地・観光産業における省力化投資補助事業(令和8年度)」が追加され、交付決定から10か月を経過していない事業者が補助対象外となった。第5回では令和7年度事業のみが除外対象だったが、令和8年度事業まで拡張された。

国の助成制度との重複規定が整理

公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬が、重複排除の対象から除外される形に整理された。


まとめ

第6回公募の主な変更点を整理すると、以下のようになる。

  1. 投資回収期間の計算式変更:年間稼働日数が加わり事業計画書の再計算が必要
  2. 補助対象外事業の明確化:有償提供を含む事業・汎用設備の単体導入が除外対象として明文化
  3. 補助対象経費の整理:既存システム連携改修費が対象に、月額利用料の位置付け明確化
  4. 加点項目の拡充:省力化ナビ加点・健康経営優良法人加点が新設(計9項目)
  5. 過剰投資抑制の減点新設:類似案件集中時に別途審査・減点
  6. 交付申請期限の厳格化:採択発表日から2か月超で原則取消
  7. 提出書類の追加:全従業員分の賃金台帳が交付申請の必須書類に

特に交付申請期限の厳格化と賃金台帳の追加は、採択後の実務フローに直接影響する変更である。申請を検討している事業者は、採択前から書類整備とスケジュール管理の体制を整えておくことを強く推奨する。


※本記事は2026年3月時点の公募要領に基づいて作成しています。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

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