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省力化投資補助金(一般型)第7回公募の変更点 ― 対象者の拡大と申請要件の厳格化【その1】

中小企業省力化投資補助金

はじめに

2026年6月、中小企業省力化投資補助事業(一般型)の第7回公募が開始された。本補助金は、人手不足に悩む中小企業等がIoT・ロボット等のデジタル技術を活用した設備を導入する際、その経費の一部を補助する制度である。オーダーメイド・セミオーダーメイド性のある設備やシステムの導入を通じて、労働生産性の向上と賃上げにつなげることを目的としている。

第7回公募では、第6回公募(2026年3月公開の公募要領)からいくつかの重要な変更が行われた。本稿(その1)では、申請の入口に関わる「補助対象者の拡大」「補助対象外事業者の要件強化」「補助対象外経費の追加」の3点を解説する。加点項目や経費・保険に関する変更点は、続編(その2)で取り上げる。

第7回公募のスケジュール

第7回公募は、公募開始が2026年6月、申請受付開始が7月上旬、申請締切が7月下旬(いずれも予定)というスケジュールで進行する。過去の公募実績では、締切から採択発表まで概ね3か月程度を要しており、第7回の採択発表は2026年11月上旬頃が目安と想定される。

申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必須である。取得には2〜3週間程度を要するため、未取得の事業者は直ちに手続きを開始すべきである。また、事業計画書の作成や根拠資料の収集にも相応の時間がかかるため、締切から逆算した早期の準備着手が採択への近道となる。

変更点① 補助対象者の拡大 ― 歯科医業を営む医療法人が追加

第7回公募における最も注目すべき変更が、補助対象者の区分追加である。第6回までは「ア〜カ」の6区分であったが、第7回から新たに「キ」が新設され、7区分に拡大された。

新設された「キ」は「歯科医業を営む医療法人」であり、次の要件をすべて満たす必要がある。

  1. 医療法第44条に規定する都道府県知事の認可を受けて設立されている法人であること
  2. 常勤従業員数が300人以下であること

これまで医療法人は対象外であったため、歯科医院を運営する医療法人にとっては、今回が初めての申請機会となる。歯科業界も深刻な人手不足に直面しており、受付業務の自動化、デジタル機器による診療補助・検査工程の省力化など、活用余地は大きい。該当する法人を支援する際は、本制度の活用を積極的に検討すべきである。

変更点② 補助対象外となる事業者の要件が拡大・強化

補助を受けられない事業者の条件が、以下の3点で変更・追加された。コンプライアンス面の審査が大幅に厳格化された点に注意が必要である。

(1)法令違反に関する要件の拡大

第6回までは「過去1年において、労働関係法令違反により送検処分を受けた事業者」が対象外とされていた。第7回では「公募開始日から5年前以降に、補助事業に関連する法令違反があった事業者」へと変更され、対象期間が1年から5年へ延長されたうえ、対象範囲も労働関係法令に限らず補助事業に関連する法令違反全般へと拡大された。

過去の法令違反歴がある事業者は、申請前に該当の有無を必ず確認しなければならない。支援者側としても、ヒアリング項目に法令違反歴の確認を加えるべきである。

(2)補助金等の不正に関する要件の新設

第7回から、経済産業省または中小機構が所管する補助金・給付金等において不正を行った事業者が、新たに補助対象外として追加された。過去の補助金不正受給等への対応が制度上明文化されたものであり、補助金行政全体における不正排除の流れを反映した変更といえる。

(3)反社会的勢力に関する要件の拡大

第6回の「暴力団又は暴力団員と関係がある事業者」という規定が、第7回では「暴力団及び反社会的勢力に該当する事業者又はこれらと関係がある事業者」へと改められ、対象範囲が拡大された。

変更点③ 補助対象外経費の追加

第7回から、「専ら申請者自身ではない他者が利用するシステム及び設備の開発・導入費用」が補助対象外経費として新たに明記された。

すなわち、自社が主体的に使用する設備・システムでなければ補助対象とならない。顧客や取引先の利用を主目的とした設備・システムの導入は認められないため、計画策定の段階で「誰が使う設備か」を明確に整理しておく必要がある。なお、第6回公募ですでに「利用者に有償で提供する設備・システム・サービス等の開発・改良を含む事業」は対象外とされており、第7回の変更はこの考え方を経費面からさらに明確化したものと位置付けられる。

その1のまとめ

第7回公募における申請の入口に関わる変更点は、次の3点に集約される。

  1. 歯科医業を営む医療法人(常勤従業員300人以下等)が補助対象者に追加され、対象は7区分に拡大した
  2. 法令違反による申請不可の期間が1年から5年に延長され、対象も補助事業関連の法令違反全般に拡大したほか、補助金不正・反社会的勢力に関する要件も強化された
  3. 他者が利用するシステム・設備の開発・導入費用が補助対象外経費として明記された

対象者の拡大という「緩和」と、コンプライアンス要件の「厳格化」が同時に行われた公募回であり、申請可否の事前確認の重要性が一段と高まったといえる。

続く「その2」では、新設された加点項目「生産性向上支援センター利用加点」、専門家経費の範囲の明確化、導入設備への保険加入の原則必須化について解説する。


※本記事は第7回公募要領(2026年6月公開)に基づく情報を整理したものである。制度内容は予告なく変更される場合があるため、申請にあたっては必ず最新の公募要領を確認されたい。

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