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省力化投資補助金(一般型)第7回公募の変更点 ― 新たな加点項目と採択後の義務への対応【その2】

中小企業省力化投資補助金

はじめに

本稿は、中小企業省力化投資補助事業(一般型)第7回公募の変更点を解説するシリーズの後編である。前編(その1)では、補助対象者の拡大(歯科医業を営む医療法人の追加)、補助対象外事業者の要件強化、補助対象外経費の追加という「申請の入口」に関わる変更点を取り上げた。

本稿(その2)では、採択可能性と採択後の実務に直結する3つの変更点、すなわち「生産性向上支援センター利用加点の新設」「専門家経費の対象範囲の明確化」「導入設備への保険加入の原則必須化」を解説し、最後に第7回公募に向けた実務対応のポイントを整理する。

変更点④ 新たな加点項目の追加 ― 生産性向上支援センター利用加点

第7回公募から、加点項目に「加点No.10:生産性向上支援センター利用加点」が新設された。

加点を受けるための条件は、次のとおりである。

  1. 生産性向上支援センターによる支援を受けていること
  2. 「生産性向上取組計画書」の作成が完了していること
  3. 応募申請時に同計画書を提出すること

生産性向上支援センターは、2026年4月1日より全国47都道府県の「よろず支援拠点」内に新設された公的支援機関である。支援を希望する場合は、最寄りのよろず支援拠点に問い合わせることになる。

採択を目指すうえで加点項目の積み上げは極めて重要である。一般型は事業計画書の質を競う審査であり、わずかな加点差が採否を分けることも珍しくない。生産性向上取組計画書の作成には一定の支援期間を要すると見込まれるため、第7回での加点取得を狙うのであれば、申請締切(2026年7月下旬予定)から逆算し、速やかによろず支援拠点へコンタクトを取るべきである。仮に第7回に間に合わない場合でも、次回以降の公募を見据えて支援を受けておく価値は高い。

なお、第6回公募から導入された加点項目(省力化ナビへの登録等)も引き続き有効と考えられるため、取得可能な加点は漏れなく確認・取得しておきたい。

変更点⑤ 専門家経費の対象範囲の明確化

専門家経費のうちコンサルティング業務の範囲について、表現が見直された。

第6回では「製品・サービスの設計時のセキュリティ設計に関するアドバイス等を含む」とされていたが、第7回では「導入する設備の設計時のセキュリティ設計に関するアドバイス等を含む」へと改められた。

「製品・サービス」という広い表現から「導入する設備」へと絞り込まれたことで、補助対象となるコンサルティング業務の範囲がより明確になった。すなわち、補助事業で導入する設備そのものに紐づく専門家支援が対象であり、事業全般や自社製品・サービスに関する汎用的なコンサルティングは対象外と解すべきである。専門家経費を計上する際は、見積書・契約書上で「導入設備に関する業務」であることが読み取れるよう記載を整えておくことが望ましい。

変更点⑥ 導入設備への保険加入が原則必須として明確化

第7回から、補助事業で導入した機械装置に対する保険・共済への加入が「原則必須」として明記された。要点は次のとおりである。

  1. 対象期間:事業計画期間終了まで加入を継続すること
  2. 補償内容:風水害等の自然災害を含む損害を補償するものであること(付保割合50%以上)
  3. 提出書類:実績報告時に、保険・共済への加入を示す書類の提出が必要であること

実績報告の段階で加入書類が求められるため、採択後・設備導入後に慌てて手配するのではなく、交付決定を受けた段階で保険会社・共済への相談を開始しておくべきである。保険料は事業計画期間を通じて発生するランニングコストとなるため、投資回収計画や資金繰り計画にもあらかじめ織り込んでおく必要がある。

第7回公募に向けた実務対応のポイント

以上、前編・後編で取り上げた6つの変更点を踏まえ、申請準備における実務対応を次のとおり整理する。

  1. 申請資格の確認:歯科医業を営む医療法人は新たに対象となったため活用を検討する。一方、過去5年以内の法令違反歴、補助金等の不正の有無は申請前に必ず確認する
  2. 投資内容の精査:導入する設備・システムが「自社が主体的に使用するもの」であることを確認し、他者利用を主目的とする投資は計画から除外する
  3. 加点の積み上げ:よろず支援拠点(生産性向上支援センター)に早期にコンタクトし、「生産性向上取組計画書」の作成を進める。その他の加点項目も漏れなく確認する
  4. 経費計上の整理:専門家経費は「導入する設備」に紐づく業務であることを証憑上明確にする
  5. 採択後を見据えた準備:導入設備への保険・共済加入(付保割合50%以上)を前提に、保険料を含めた資金計画を策定する
  6. スケジュール管理:GビズIDプライムの取得(2〜3週間)、根拠資料の収集、事業計画書の作成を、申請締切(2026年7月下旬予定)から逆算して進める

おわりに

第7回公募の変更点を俯瞰すると、「対象者の拡大による門戸の開放」と「コンプライアンス・事業実施体制に関する規律の強化」という二つの方向性が読み取れる。制度が回を重ねるごとに運用が精緻化されており、要領の細部を読み込まないまま前回までの感覚で申請すると、思わぬ不備や対象外判定を招きかねない。

一般型は補助上限額が大きく、自社の課題に合わせたオーダーメイドの省力化投資を支援する強力な制度である。変更点を正確に押さえ、質の高い事業計画書を早期に仕上げることが、採択への最短ルートであることに変わりはない。


※本記事は第7回公募要領(2026年6月公開)に基づく情報を整理したものである。制度内容は予告なく変更される場合があるため、申請にあたっては必ず最新の公募要領を確認されたい。

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