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30年度補正ものづくり補助金の電子申請を支援してみて、良くなった点、悪くなった点

ものづくり補助金

令和元年8月19日~令和元年9月20日までものづくり補助金の二次公募が行われた。
当社は今回も多くの支援依頼をいただき、18社の支援をさせていただいた。
年々ご支援させていただく企業数が増えているので嬉しい限りである。

一方で多くの支援依頼があったが残念ながら今回は期間が短く当社で対応できずに多くの依頼をお断りした。
せっかく設備投資に意欲がおありなのにそのチャレンジにご支援できなかったので今後は当社としてもさらに生産性をあげて出来る限りお断りせずに支援させていただく体制にしていきたい。

さて、今回からものづくり補助金は「すべて電子申請で提出する」という大幅な制度変更があった。
今回18件支援してみて電子申請への移管で、良くなった点・悪くなった点をご紹介する。

電子申請で良くなった点

個人的には今までの書類そのものなどアナログ媒体でまとめて提出するより、電子申請でデジタル媒体を申請すればよくなったので大幅に効率化されたと感じた。
つまり補助金申し込み企業の負担が大きく減った。
よって、この電子申請への制度変更はとても有意義であったと感じている。
その主な良くなった点は下記のようなことだと感じている。

用紙や郵送料のコストがなくなった

今までは補助金の申請書やほかに必要な決算書などすべて製本してさらに6部も揃えた上で郵送する必要があった。
おそらくコピーする印刷代(見栄えがよくするためにカラー印刷していたのでさらに費用がかさんだ)や用紙代、綴じ込むファイル代、郵送料でざっくり5000円近くかかっていたのではないだろうか。

それが今回から電子ファイルをアップロードすればよくなったのでコストはほぼゼロになった。
このように費用負担が減るのは企業にとっては有益である。

入力ミスや提出書類漏れが恐らくなくなった

ものづくり補助金の申請は、5年間の数値の事業計画や資金調達内訳など、慣れていない方がされると数値の入力ミスが多い項目が多い。
今まではその数値の整合性や計算が合っているかは自己責任で計算して提出する必要があった。ただよほど専門家でないとこれらの数値をすべてミスなく提出できた企業は少数だっただろう。

これが今回の電子申請からは数値を入力して計算結果が違ったり要件に合わなかったりするとアラームが表示され、登録できない仕組みとなった。この仕組は個人的にはとても良いと思った。これで入力ミスはほぼぜろになるだろう。
また提出書類に関しても同じで、必要な書類がアップロードされていなければ登録できないので必要書類の漏れもなくなるだろう。とても便利なシステムだ。

提出書類を修正する必要も恐らくなくなった

経験や公募要領等から、今までの補助金の審査までの流れはおそらく「書類提出→事務局の中央会でチェック、修正依頼→審査」と、一旦事務局の方でチェックをしてくれていた。

しかし今回はそれがなくなり、「書類提出→審査」と、おそらく提出した書類がチェック無しでそのまま審査にまわされている。
このことに関しては当社としては良い変更だと思っている。
今までは認定支援機関や当社で適切にチェックをして明確な不備でないものを提出しても修正依頼がくることも度々あった。さらに修正依頼の基準も担当者により違っていたので正直、手間な部分も大きかった。今後はおそらくこの審査前の事前チェックがなくなるためそういった修正の負担がなくなる。
一方で事前チェックしてくれないので提出する段階で絶対に不備のないようにしないといけなくなる。支援する側はより高い水準で精査する必要が出てくる。

電子申請で悪くなった点

悪くなった点はあまり感じない。ただ1点次の点だけデメリットが生じるだろう。

ITリテラシーの弱い企業は大変

今回からほぼネット上で書類の登録をするようになった。
ただ、やはり中小企業はITのできる人材が限られている。
よってITリテラシーの弱い企業は今後は補助金申請のハードルはあがっていくだろう。
しかし生産性を上げていくためにはやはりITの活用は不可欠。
そのため、こういった補助金申請などをITでしなければならない環境を作ることでIT活用に対しての意識が高まる可能性がある。よって長い目で見ると良いことかと思う。

まとめ

今回の電子申請への移行は実際行ってみて、すごく補助金申請を行いやすくなったと感じるので賛同である。
とくに印刷や郵送等の手間がほぼなくなったことから支援させていただいた企業様もほぼ好評である。
今後は他のいろいろな補助金もこのシステムに統合されるとも聞くし、できれば補助金採択後の事務処理もこういった電子システムで完結できるとより効果的だと感じる。

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