ものづくり補助金の傾向③製造業は採択されやすい?
令和元年度補正予算事業・令和2年度補正予算事業の3次締切の採択発表とともに、
ものづくり補助金総合サイトに「データポータル」が公表されています。
そのデータで、これまでの申請及び採択状況のデータがまとめられています。
このデータから考察できることを
いくつかに分けてご紹介します。
今回はものづくり補助金に関して「製造業は採択されやすいなど、業種による傾向」をみていきます。
ものづくり補助金は、製造業は採択されやすい?
データポータルサイトには「補助金の申請者の業種」として、
下記のように補助金の申請者の業種に関して、
申請数や採択率の関係が表示されています。
このデータをみると、
製造業の申請者数が圧倒的に多数ですね。
また、製造業の採択率は52.9%と他業種と比較しても高いです。
ほかの業種で採択率が5割を超えているのが、
「医療・福祉」(52.2%)
「学術研究・専門技術サービス業」(52.1%)
です。
「医療・福祉」に関しては大半が個人事業主の歯科医院です。
歯科医院の設備も高額なものが多いので、最大1000万円ちかく
補助されるものづくり補助金はやはり人気です。
製造業や歯科医院が採択されやすい要因
製造業や医療関係(歯科医院)の採択率が高い要因ですが
大きく2,3の要因があると推測しています。
まずいちばん大きな要因として当社が考えているのが、
「賃上げ加点」を比較的狙いやすい業種である、ということです。
賃上げ加点の内、事業場内最低賃金を地域別最低賃金と比較して60円以上の水準にするなどすれば
賃上げ加点を狙えるのですが、当社の支援先で製造業や歯科医院はこの加点要件で
提出されているところが多いです。
一方、飲食業や小売業の企業様はなかなかこのレベルに最低賃金をひきあげていくのは
難がある、ということでこの加点を取られない企業様もおられます。
当社の今年の支援結果実績から、この加点を狙っていかないと採択のハードルは
上がってしまうと感じています。
そういった意味でもやはり製造業や歯科医院などはこの加点を狙っていけるので
結果として採択率が上がっているのかと思います。
ほかの要因としては、
そもそも「ものづくり補助金」というだけあって、
製造業の申請者を想定したような審査項目となっているので、
製造業は計画書を書きやすい、というのもあると考えています。
あとは製造業や歯科医院の設備は高額で、かつ機能や効果が
パンフレットでまとめられている設備が多いので
審査する側も判断しやすい、というのもある気がします。
逆に、当社の経験上からも、システム構築など目に見えないものは計画書作成も難しいですし、
そもそも機能や効果を理解するのも大変です。
以上のように、今年のものづくり補助金の傾向として
いまのところ製造業や医療福祉関係が採択されやすくなっています。
とくにこれらの業種の方は前向きに応募を検討されると良いかもしれません。