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ものづくり補助金で採択されるポイント4−申請書「事業の具体的な内容(将来の展望)」の書き方その2

ものづくり補助金

ものづくり補助金の申請書「事業の具体的な内容(将来の展望)」部分の書き方をご紹介する。
採択率アップに向けての参考になればと思う。

以前の記事で、本パートの前半部分「その1:革新的な試作品開発・生産プロセスの改善の具体的な取組内容」の書き方や、書いていく際の流れをご紹介した。

今回は後半部分の「その2:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果)」をご紹介する。

書いていく際の流れ

前回の記事の繰り返しになるが、まず事業全体の流れを頭の中で整理しよう。
申請書に下記のようなイメージで、補助事業を実施(設備を導入)した後の将来の展望がどのようになるのか、というのがこの「将来の展望」で書くべき内容である。それを中タイトルに分けて書いていく。

中タイトルを付ける前に審査項目等から逆算して考える

本パートの中タイトルの付け方であるが、「審査項目(特に事業化面と政策面)」から逆算していくことが重要だと考えている。
審査項目は公募要領に記載されているので、下記で見ていく。

審査項目(事業化面と政策面)

審査項目の「事業化面と政策面」は下記のようになっている。それらの審査項目と、申請書後半部分が必ずしもマッチングしているわけではないが、おおよそ対応しているのでこの審査項目を意識して中タイトルに分け、記載していくと良い。

【以下、公募要領(H30年1次)「審査項目(事業化面)」より抜粋】

1 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか。
2 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。
3 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
4 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか(【革新的サービス】【ものづくり技術】いずれにおいても、3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する取組みである か)。

【以下、公募要領(H30年1次)「審査項目(政策面)」より抜粋】

1 厳しい内外環境の中にあって新たな活路を見出す企業として、他の企業のモデルとなるとともに、国の方針(「経済の好循環実現に向けた政労使の取組について」において示された賃金上昇に資する取組みであるか等)と整合性を持ち、地域経済と雇用の支援につながるこ とが期待できる計画であるか。
2 中小企業・小規模事業者の競争力強化につながる経営資源の蓄積(例えば、生産設備の改修・増強による能力強化)につながるものであるか。

当社のおすすめの中タイトルの分け方

上記の「審査項目」を考慮すると、下記のような中タイトルに分けて申請書を書き進めていくのが良い。

  • 補助事業の成果の事業化に向けたユーザーとマーケットについて
  • 補助事業による優位性や成果
  • 国の施策との整合性などについて
  • 資金調達の見通し
  • 会社全体の事業計画

では、次にそれぞれの中タイトルをより細かく紹介していく。

補助事業の成果の事業化に向けたマーケットとユーザーについて

具体的に、補助事業による成果を誰に提供していき、その市場動向はどうなのか、等について書く。例は下記のとおりである。こういった文章に加えて、客観的なデータ1つか2つ程度は差し込みたい。
《例(製造業)》
本事業により、開発中の商品Xの生産力と品質向上が実現できる。それを既存の取引先Yに販売していく。取引先Yは成長著しいZ業界で販売を伸ばしており、市場シェアは◯◯%なので当社の売上も□□万円程度見込むことができる。
《例(サービス業)》
本事業により、新サービスの提供と顧客満足度の向上が実現する。それを既存顧客であるA市とB市の顧客を中心に提供していく。とくに高齢層をターゲットにしておりA,B市の高齢者の年齢は現在◯◯万人で少なくとも今後10年は増加する想定である。

補助事業による優位性や成果

優位性や収益性、成果など本事業で見込まれるプラスの面を書いていく。下記のような切り口で書くとよいだろう。

  • 優位性
  • 生産力
  • 品質向上
  • コスト削減
  • 収益性
  • 差別化
  • 売上増加

とくに売上増加に関しては「会社全体の事業計画」で3〜5年間の売上推移等を記載する必要がある。そのため下記のように誰に、いつ、いくら売れるのかを図表にまとめると説得力が増す。

国の施策との整合性などについて

他の企業のモデルとなるか、経済の好循環実現に向けた政労使の取組についてを実施できる環境になるか、地域経済と雇用の支援につながることが期待できるか、などを書こう。
「経済の好循環実現に向けた政労使の取組について」は下記のリンクである。

資金調達の見通し

資金調達に関しては「5.資金調達内訳」の欄で、具体的な額は記載するが本文でもある程度記載しおいたほうが良い。特に銀行借入をする場合は銀行との関係、「すでに本事業について話をしていて、銀行から了承を得ている」程度の記載をしておくだけで説得力は上がる。

会社全体の事業計画

会社の3〜5年間の計画数値を記載する欄がある。これに関しては下記を参考にしてほしい。

まとめ

ものづくり補助金の成果等を展望する本パートは将来見込みなので書いていくのも容易でないだろう。しかし、この部分を評価の高くなる計画に落とし込むことで、事業の成功確率も上がるはずである。あきらめずに説得力のある形にまとめていこう。

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