2020年実施のものづくり補助金「ビジネスモデル構築型」について
2020年(令和2年)実施のものづくり補助金は、
補助金額上限がなんと最大1億円の「ビジネスモデル構築型」も公募される予定です。
今回はその「ビジネスモデル構築型」について現時点(2020.1.15)でわかっている情報についてまとめています。
補助金額が最大3000万円の「グローバル展開型」の概要
グローバル展開型の情報の出どころ
令和元年12月26日発表の「ものづくり補助金に関するパンフレット(中小企業庁)」に、
ものづくり補助金の事業類型に「ビジネスモデル構築型(新)」という表記(下画像)があります。
【令和元年補正(2020年実施)ものづくり補助金の事業類型や概要】
補助金額など概要
概要は下記のとおりです。
【事業類型】
ビジネスモデル構築型
【概要】
中小企業30者以上のビジネスモデル構築・事業計画策定のための面的支援プログラムを補助。
(例:面的デジタル化支援、デザインキャンプ、ロボット導入FS等)
【補助上限】
1億円
【補助率】
定額(つまりすべて出るといこうこと)
「ビジネスモデル構築型」って具体的には?
魅力的な補助上限額1億円かつ定額補助のビジネスモデル構築型。
具体的にはどのような事業を行えばよいのでしょうか。
ヒントとなるのは例として挙げられている下記の事業です。
- 面的デジタル化支援
- デザインキャンプ
- ロボット導入FS
これら3つがいったいどのようなものかをそれぞれ見てみます。
「面的デジタル化支援」とは?
「面的デジタル化支援」。この文言をわかりやすく分けてみると、
(小規模企業の)デジタル化を、面的に支援する。ということです。
デジタル化は良いとして、面的に支援するとはどういったことなのでしょうか。
そのヒントとなる資料が下記です。
「中小企業の身の丈に応じたITツールの普及促進について(討議用資料):令和元年10月10日 中小企業庁」
資料の赤点線囲みに「面的支援」が列挙されています。
この資料からはつまり、
今まで政府は小規模企業のデジタル化支援にの補助金(IT導入補助金)による支援を
「点」で行ってきた。
しかし、今後は金融機関や商工団体といった支援機関や、ITベンダー等も巻き込み、かつ
デジタル化以前の、経営課題解決の気づきを促したり、ソリューションの比較検討・選択までの「面」の
支援も行うということでしょう。
よって、この面的デジタル化支援はそういった活動を行う団体が主たる対象になると思います。
「デザインキャンプ」とは?
経済産業省・特許庁は、2018年5月に『「デザイン経営」宣言』を発表し推進しています。
その関係を担う事業に対しても補助するということだと思います。
「デザインキャンプ」とはいったいどのようなものでしょうか。
例えば京都大学デザインスクールでの「プロフェッショナル・デザインキャンプ」の取り組みについては下記のように記載(同資料12ページ)されています。
プロフェッショナル・デザインキャンプは、異業種とのコラボレーションに関心のある企業・大学・行政の「価値協創の場」です。
異業界を横断するメンバーが、デザイン理論・手法を用いて社会課題の解決をめざすプログラムで、リードカンパニーが提供するテーマについて、これまで協業したことのないような企業からの参加者がチームを組み、新たな価値創出に取り組みます。
他社との議論で得た気づき・知識・経験を所属組織に持ち帰り、それぞれの立場で研究開発や事業化に活用するなど、キャンプの3日間にとどまらない成果を得ることができます。
つまり、「キャンプのように異業種のメンバーが泊まり込みでデザインに関しての議論等を行うことで当たらな価値創出を行う取り組み」だとおもいます。
よってこのものづくり補助金の類型ではそういった活動を支援する団体に補助が当てられるのだと推測されます。
「ロボット導入FS」とは?
29年などに「ロボット導入実証事業」という国の事業がありました。
その事業は下記のようなものでした。
ロボット未活用領域においてロボットの活用に挑戦する事業者(ロボットユーザー)に対し、FS(実現可能性調査)に要する費用の一部を補助します。(文面は同事業の公募要領4ページより抜粋)
つまり、ロボットの活用に挑戦する事業者(ロボットユーザー)OR団体に対し、FS(実現可能性調査)に要する事業への補助です。
まとめ
ものづくり補助金の「ビジネスモデル構築型」について、「例」を参考にどのようなものかを推測してみました。
それぞれの例を見ても、大掛かりな事業であることに加え、「中小企業30者以上」を巻き込んで行う事業であるため、
主な対象者は金融機関や商工団体などだと思われます。
詳細は公募要領を待ちましょう。