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【新ものづくり補助金解説④】グローバル枠 — 「自発的な海外販路開拓」が問われる

※本記事は2026年9月1日時点で公開されている情報に基づいて作成している。制度内容および提出書類は今後改訂される場合があるため、申請にあたっては必ず補助金公式ホームページおよび最新版の公募要領・応募申請ガイドをご確認いただきたい。

事業枠の3つ目、グローバル枠を扱う。輸出に取り組む事業者向けの枠であり、該当する企業は限られるため、今回は要点のみ簡潔に整理する。

定義は2つ、しかも「国内拠点の強化」が条件

グローバル枠の定義は次のとおりである。

①海外販路開拓戦略——自社の製品等を活用し、自発的に新たな海外販路を開拓するうえで必要となる、国内製造等拠点の強化に取り組むこと。 ②海外市場の新規性——製造等する製品等の属する市場が、自社にとって新たな海外市場(既存事業で対象としていなかった国・地域)であること。

補助率は2/3と3枠で最も高く、上限額は新事業進出枠と同じ2,500万〜7,000万円である。ただし補助率が既に2/3であるため、地域別最低賃金引上げ特例は適用できない。経費区分では、この枠だけ海外旅費と通訳・翻訳費が計上できる。

なお、対象となるのは新たな海外市場への進出に係る経費のみであり、既存市場に係る経費は対象外である。

グローバル枠の定義

出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金事務局「応募申請ガイド(第1回)1.0版」(2026年8月24日)p.11 より引用 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_submission_guide_01.pdf

「他人任せの輸出」は認められない

ガイドは海外販路開拓戦略の非該当例を6つ挙げている。他社から仕入れた完成品をそのまま輸出する、取引先の発注に基づいて海外向け量産ラインを新設する、国内商社に販売するのみで輸出先の選定を商社が主導する、親会社の販売戦略に従いグループの既存海外販売網へ供給する、国内拠点を強化せず海外に生産拠点を設けて現地生産する、訪日外国人向けに国内店舗の販売体制を整えるにとどまる——いずれも該当しない。

共通するのは、輸出先の国の選定や販売戦略が自社の事業戦略に基づいていないという点である。海外へ物が出て行けばよいのではなく、その戦略を自社が描いているかが問われる。

海外販路開拓戦略の非該当例

出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金事務局「応募申請ガイド(第1回)1.0版」(2026年8月24日)p.13 より引用 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_submission_guide_01.pdf

「新たな国・地域」の判定も厳しい

海外市場の新規性についても4つの非該当例がある。既に販売実績のある国で州を変えるだけ、既に販売している国への供給ルートを現地法人経由から国内直輸出に切り替えるだけ、既存輸出先で同一製品を増産・拡販するだけ、既存輸出先で異なる年齢層のみを新たに対象とするだけ——いずれも新規性は認められない。

判定は国・地域単位で行われる。州や省といった行政区画の違いでは足りない点に注意が必要である。

加点はグローバル枠限定のものがある

「新規輸出1万者支援プログラム」および「日本の食輸出1万者支援プログラム」への登録は、グローバル枠のみの加点項目である。いずれも申請締切日時点で登録が完了している必要があり、登録は事業者自身が各ポータルサイトで行う。該当しそうであれば早めに手続きしておきたい。


次回予告|第5回は補助金額・補助率・補助事業実施期間を扱う。特に実施期間には「交付決定日から」と「採択発表日から」の二重の期限があり、交付申請が遅れるほど事業期間が短くなる仕組みになっている。

出典・注記

  • 本記事の図表および記載内容は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金事務局「応募申請ガイド(第1回)1.0版」(2026年8月24日公表)に基づく。
  • ガイド原本:応募申請ガイド(第1回)PDF
  • 補助金公式サイト:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
  • 掲載画像は上記ガイドから引用したものであり、著作権は同事務局に帰属する。図中の一部を拡大・トリミングして掲載している場合がある。
  • 本記事は制度の概要を解説するものであり、採択を保証するものではない。
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