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「クリーンエネルギー戦略」中間整理から見る中小企業の脱炭素化への対応①

脱炭素化

経済産業省は、脱炭素社会の実現に向けて、政府が掲げる新たな戦略「クリーンエネルギー戦略」の中間整理を取りまとめました。

2022年5月13日付の資料が下記になります。

今後10年間に官民あわせて150兆円の投資が必要だと試算しています。

その中で、「中小企業における対応」(上記資料のP109〜113)として、中小企業の脱炭素化への対応に係る現状整理や方向性も述べられています。
脱炭素化に精通していない中小企業の方がぱっと読んでも難解な内容なので数回に分けてそれを解説していきます。

今回はP110の
「中小企業におけるカーボンニュートラル対応の重要性」をご紹介します。

中小企業におけるカーボンニュートラル対応の重要性

当該のP110は下記のようになります。

わが国の雇用の約7割を支える中小企業等は、日本全体のGHG排出量のうち1割~2割弱 (1.2億t~2.5億t)を占め、目標実現には中小企業の取組も必要不可欠

まず、GHGとは温室効果ガス(Greenhouse Gas)の略称です。具体的には二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンなど、地球温暖化の主な原因とされているものです。
上表の左下のグラフにある通り、中小企業等の日本全体のGHG排出量のうち1割~2割弱も占めています。「自社は脱炭素化にはあまり関係はないのでは」という意識が中小企業ではまだ多いように感じられますが、これだけの排出量を占めているため、中小企業等の取組も推進されなければGHGの削減は容易ではありません。

近年、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを目指すグローバル大企業が増加。既に一定割合の企業は、海外の取引先から脱炭素化の方針への準拠を求められている。

これに関しては米アップルの話が有名です。
アップルは2020年の夏より、これからも持続可能な未来社会の実現に向けてサプライチェーンの100%脱炭素化を達成するという目標を掲げています。

同社に納める製品や部材の生産に使う電力を全て再生可能エネルギーでまかなうと約束するサプライヤー企業も増えており、うち日本企業は2021年秋時点で約20社です。
アップルの製品に関連する製造装置等の企業にもこの取組は波及しています。
同様に裾野の広い自動車業界などでも同様の流れは広がっており、部品を製造する中小企業等でもこれらの取組の対応が実質的に求められるようになってくるでしょう。

金融機関は、融資先のGHG排出量を把握する動きや石炭等の化石燃料への供給資金を引き揚げる動きがある一方で、先進的に取り組もうとする企業を支援・評価する取組が始まっている

中小企業の脱炭素化に向け、地域金融機関でもその支援や評価の取組が広まっています。
具体的には地方銀行が地元の融資先に対して、温暖化ガスの排出抑制などに向けた事業転換を促すための融資が広がっています。

まとめ

中小企業においても脱炭素化への取組の重要性は急速に高まっています。
「自社はあまり関係ないのでは」というスタンスで旧態依然とした経営を行っていると
世の中の潮流に取り残され
サプライチェーン上の脱炭素化の取組未達に係る取引消滅や、
金融支援すらままならぬことになってしまうことになりかねません。

重要性を認識し、経営計画上、脱炭素化を織り込んだ取組を進めることをおすすめします。

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