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経営革新計画の新事業活動とは?

補助金や中小企業支援制度

経営革新計画の策定にあたって最も悩ましいのが、

『自社の取り組みが要件である「新事業活動」に当たるのかどうか?』

ということです。

「革新」という言葉から、ハードルが高い要件な気がしますが、
簡単に言うと「自社にとって新しい取り組み」は概ね要件を満たします。
つまり、応募できる資格を満たします。

今回はその「新事業活動」はどういったことを指すのか?
ということをご紹介していきます。

経営革新計画の新事業活動とは?

「新事業活動」とは、次の4つの「新たな取り組み」をいいます。

① 新商品の開発又は生産
② 新役務の開発又は提供
③ 商品の新たな生産又は販売の方式の導入
④ 役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動
(以上出所:中小企業の新たな事業活動の促進に関する基本方針 第2 経営革新 1(一)より)

経営革新計画を作成することにより、自社の「新たな取り組み」の目標、重点課題等が明らかになり、
進歩状況確認により機能的に事業を行うことができます。

具体的には「中小企業の新たな事業活動の促進に関する基本方針 第2 経営革新 1(一)」によると、

個々の中小企業者にとって新たな事業活動であれば、既に他社において採用されている技術・方式等を活用する場合についても原則として支援する。

とあり、個々の企業にとって新たな事業活動であれば基本的には可能となっています。

一方で同方針には、

ただし、業種ごとに同業の中小企業(地域性の高いものについては同一地域における同業他社)における当該技術・方式等の導入状況を判断し、それぞれについて既に相当程度普及している技術・方式等の導入については支援対象外とする。

とあります。

この解釈が難しいところですが、簡単に言うと、
あまりにありふれた活動であればそれは新事業とは見なしませんよ、という解釈だと思われます。

今まで当社が支援した事例だと、上記のように個々の企業にとって新たな事業活動であれば凡そ経営革新計画の承認対象となりました。
後者の但し書きの「あまりにありふれた活動」に関しては、計画策定をする際にその企業なりの創意工夫やオリジナリティのある取組計画とすることでクリアできました。

経営革新計画の新事業活動の事例

「新事業活動」に該当する4つの新事業活動についての事例を、それぞれご紹介します。

新事業活動「①新商品の開発又は生産」の事例

  • 建設業者が、産業廃棄物である下水汚泥などを甘味料としても知られる植物を用いて処理し、新たに肥料を生産し販売する。
  • 木製品製造業者が、これまで建具の材料として利用が困難とされていた間伐材を、加工するための切削用刃物を開発。更に開発した天然の塗料で仕上げることで、防腐、防かび効果が高められ、環境と健康にやさしい建具を生産、販売をする。
  • 業務用の大型で強力な空気清浄機を製造していた企業が、きれいな空気に対するニーズの高まりを受けて、小型化に挑戦し、一般家庭用の小型で強力な 空気清浄機を開発する。

(出所:中小企業庁「経営革新計画進め方ガイドブック」より)

新事業活動「②新役務(新サービス)の開発又は提供」の事例

  • 美容室が高齢者や身体の不自由な方など、自分で美容室に行くことが困難な方のために、美容設備一式を搭載した車で美容師が出張し、カットやブローの基本コースからヘアメイクや着付けなどのサービスを行う。
  • 老舗の旅館が、空室を日帰り客向けのリラクゼーションルームとして改装し、新しいサービス事業を行う。それにより昼間の時間帯の増収を図るとともに、そこから新規宿泊客の拡大に結びつける。
  • 畜産農家向け飼料販売業者が、新たに畜産農家の繁忙期・旅行時に社員を畜産農家に派遣して、家畜の世話等を行うとともに、畜産農家の経営効率を向上させるためのコンサルティングサービスを行う。

(出所:中小企業庁「経営革新計画進め方ガイドブック」より)

新事業活動③「商品の新たな生産又は販売の方式の導入」の事例

  • 果物の小売業者が、本格的なフルーツパーラーを開店。果実店で培われた果物についての知識などの強みを活かすとともに、フルーツ&ベジタブルマイ スターの資格を持つ店員が常駐し、高品質フルーツを使ったスイーツや、フルーツや野菜のフレッシュジュース、健康を意識した野菜を取り入れたランチメニューも提供。
  • 金属加工業者が、金属熱加工製品の開発に伴う、実験データを蓄積することにより、コンピュータを利用して、熱加工による変化を予測できるシステムを構築する。それにより、実験回数を減らし、新商品開発の迅速化とコスト削減を図る。
  • 食品加工業者が、製品のトラブルの発生を防ぎ、消費者・取引先からの信頼を得るために、新しい品質管理のシステムである「HACCP(危害分析重要管理点方式)」対応の新工場を建設する。

(出所:中小企業庁「経営革新計画進め方ガイドブック」より)

新事業活動④「役務(サービス)の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動」の事例

  • 不動産管理会社が、企業の空家となった社員寮を一括借り上げして、それを 高齢者向けに改装し、介護サービス、給食サービスを付加して、高級賃貸高齢者住宅として賃貸する。
  • タクシー会社が、乗務員に介護ヘルパーや介護福祉士の資格を取得させ、病院や介護施設への送迎などのタクシー利用者を獲得し、高齢者向け移送サービスで介護サービス事業へ進出して多角化を図る。
  • 美容室が写真館を併設。成人式や七五三、結婚式などの記念撮影時、その場で撮影することが可能となり、移動の手間や、着付けが乱れるといった問題を解消するサービスを提供し、新規顧客の獲得につなげる。

(出所:中小企業庁「経営革新計画進め方ガイドブック」より)

まとめ

経営革新計画の新事業活動がどのようなものかに関して、ご理解できたのではないでしょうか。

それでも自社の行う事業が経営革新の対象に当たるか悩まれる際は、
各都道府県の担当局に問い合わせをされると判断できるかと思います。

ほか、経営革新計画については下記にてまとめていますのでご参考ください。

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