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2020年ものづくり補助金の加点が見込まれる「被用者保険の適用拡大」とは

ものづくり補助金 補助金や中小企業支援制度

先日の閣議決定で2020年ものづくり補助金の公募がほぼ決まりました。

今回のものづくり補助金で加点が見込まれる「被用者保険の適用拡大」について見ていきます。

2020年ものづくり補助金は今までの賃上げに加えて、「被用者保険の適用拡大」も加点が見込まれます

閣議決定と同日の資料(令和元年第13回経済財政諮問会議、資料6 安心と成長の未来を拓く総合経済対策)に
下記のような文言があります。

中小企業・小規模事業者がこれらの相次ぐ制度変更に対応してい
くため、先端技術の実装をはじめ、生産性向上に資する取組への支
援として、革新的な製品・サービス開発のための設備投資支援や、
小規模事業者に特化した販路開拓支援、ITツールの導入支援等を
複数年にわたり継続的に実施する仕組みを構築し、国として必要な
財源を確保する。
その際、例えば、積極的に賃上げに取り組む場合や、
被用者保険の適用拡大について、改革に先立って任意適用する
場合に、優先的に支援を受けることができる仕組みを導入する。

つまり、今までのものづくり補助金の加点要件であった賃上げに加えて、
被用者保険の適用拡大を任意適用する場合も加点要件に加わる見込みです。

「被用者保険の適用拡大」に関しての、政府の意向

政府は、年金制度の支え手を増やす、多様な働き方に対応するといった目的で、
短時間労働者への被用者保険の適用拡大をさらに進めようとしています。

また政府が適用拡大を急ピッチで進めようとしているのは、
将来的に低年金、無年金の高齢者が増加し、生活保護受給者が急増する恐れがあるのが大きな理由です。

具体的には、その適用拡大の対象となる企業の規模要件(現行は、原則として従業員数501人以上)を緩和する方向で話が進んでいます。

概要のイメージとしては下図のようであり、
現在は図の右の「更なる適用拡大について検討」のところです。


(出所:令和元年11月21日 第121回社会保障審議会医療保険部会「被用者保険の適用拡大について」)

中小企業側の反発は強い

この政府の意向に関する中小企業側の反発は強いです。
なぜなら、保険料負担により経営に大きなインパクトがある恐れがあるからです。

例えば日本商工会議所は(令和元年11月21日:全世代型社会保障検討会議の資料)次のような理由から、慎重な議論を求めています。

●多様な働き方や女性の社会進出を踏まえ、将来の安心を確保する社会保障制度の構築は大変重要であるが、
一方で、社会保険料の半分は、中小企業を含めた企業側が負担しているという実態もある

●適用拡大による、短時間労働者1人あたりの事業主負担は年間約24~25万円
(最低賃金を一気に1,000円まで引き上げた場合と概ね同程度のインパクト)

●また、労使合意に基づく任意適用が進んでいないことからも、第3号被保険者による就労調整がさらに進むことが予想され、
人手不足を加速させる恐れもある

ものづくり補助金では加点される見込み

現状をまとめると、政府は「被用者保険の適用拡大」をしていきたい。
But中小企業側は経営負担になるため、積極的には行いたくない。
という状況にあります。

そのため、
「適用拡大を行う企業に対しては、ものづくり補助金で優遇します」
ということになったと思われます。

賃上げにせよ、被用者保険の適用拡大にせよ、
ものづくり補助金においては「加点」をとるかとらないかで
採択率は大きく変わってきます。

ものづくり補助金で採択されるためにはこれについても考慮する必要はありそうです。

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