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事業再構築補助金とものづくり補助金の違いを比較〜その2【補助対象要件】

補助金や中小企業支援制度

「事業再構築補助金」に関して、
中小企業向け補助金で幅広く活用されており認知されている「ものづくり補助金」との違いを比較して
ご紹介していきます。

今回はそれぞれの補助金の対象となるかどうかの、
要件規定である【補助対象要件】をご紹介します。

「補助対象要件」の記載されている資料

それぞれの補助金の下記の資料に「補助対象要件」が記載されています。
ここではそれぞれの補助金に関して、下記2点の資料に関して比較します。

●事業再構築補助金(中小企業等事業再構築促進事業)(令和2年度第3次補正予算)
のパンフレット
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2020/201224yosan.pdf

●ものづくり補助金(中小企業生産性革命推進事業の内訳)(令和元年度補正予算)
の5次締切公募要領の主要箇所を抜粋
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/5th/reiwakoubo_201222.pdf

以下、この2つの資料でとくに重要な点の違いを比較していきます。

付加価値額や給与等の増加目標に関して

付加価値額増加の記載箇所の比較です。

●事業再構築補助金

(以下、上記資料より抜粋)

  • 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

●ものづくり補助金

(以下、上記資料より抜粋)

以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していること。

  • 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
    (被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
  • 事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする。
  • 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。

また、ものづくり補助金に関して特に重要なことは、
給与支給総額や事業場内最低賃金の増加目標が未達の場合、
下記規定のように、補助金を一部返還する必要のある規定があります。

(以下、ものづくり補助金に関して上記資料より抜粋)

以下の要件をすべて満たす3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していること。

  • 補助事業を実施した年度の翌年度以降、事業計画終了時点において、給与支給総額の年率平均1.5%以上増加目標が達成できていない場合は、導入した設備等の簿価又は時価のいずれか低い方の額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返還を求めます。
  • 補助事業を実施した年度の翌年度以降、事業計画期間中の毎年3月時点において、事業場内最低賃金の増加目標が達成できていない場合は、補助金額を事業計画年数で除した額の返還を求めます。

上記の付加価値額と給与関係の要件を簡潔にまとめると下記のようになります。

ものづくり補助金に関してはとくに給与支給総額や事業場内最低賃金の目標未達の場合、返還規定もあります。
一方で、事業再構築補助金にはそのような規定がないため、応募のハードルは低くなっているように思われます。

とくに当社の関係先でも、ものづくり補助金の返還規定によって補助金応募を断念した企業も多いので、
このハードルが低くなったことは応募者にとっては応募しやすくなります。

事業再構築補助金にのみある要件

ものづくり補助金にはなく、事業再構築補助金にのみある要件は下記の要件があります。

(以下、「事業再構築補助金」に関する上記資料より抜粋)

  • 1.申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
  • 2.事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。

1に関しては、直近の売上が減少している必要があります。
ものづくり補助金はどちらかというと売上などが伸びている企業が採択にも有利に働いていた印象がありましたが、事業再構築補助金においては売上が減少している必要があります。これは大きな違いです。

2に関しても、直近のものづくり補助金では認定支援機関との関わりは必須では求められていませんでしたが、これが必須になり大きく異る部分です。

まとめ

事業再構築補助金とものづくり補助金の対象要件に関しても大きく異なっています。

とくに、事業再構築補助金に関してはものづくり補助金のような給与関係の未達の場合の返還規定がなくなる見込みです。

そういった規定で応募できなかった企業様も前向きに事業再構築補助金を検討されてみても良いかもしれません。

ほか、その他の違いも下記にてご参考ください。

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