ものづくり補助金の審査項目、政策面①の書き方(令和元年度補正(2020年実施))
ものづくり補助金は審査項目に沿って審査されます。
今回はその中の政策面①についてご紹介します。
ほかの政策面②③に関しては下記のリンクでご紹介しています。
政策面①について
公募要領によると政策面は①〜③の観点から審査されます。
政策面の①は下記です。
① 地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業を積極的に展開することが期待できるか。(公募要領「審査項目」より抜粋)
文面から読むとなんだか難しそうですね。
また、一般的な中小企業だと「地域経済の経済成長を力強く牽引する」というのは
『そこまで大きなの事業ではないのでこの項目は書かなくてよいか、、』
となりがちです。
しかし、この項目に関して全く何の記載もしないと、審査において少なくともプラスにはならないと思います。
多かれ少なかれ御社の事業が良くなることで、地域にはプラスの影響になるので、
いろいろな方面から考えて、少なくとも何か書くようにしましょう。
どんなことを書けばよいか
それでは、具体的にどんなことを書けばよいでしょうか。
(ここでは「地域経済の経済成長を力強く牽引する」事業と、簡単には表現しにくい分野や、小規模事業者等を想定しています。)
審査項目に沿って考えていきましょう。
「地域の特性を生かして」に対する記載
まず、
「地域の特性を生かして」
ということに関しては、地域の特性を知る必要があります。
地域の特性がよくわからない場合は、
商工会または商工会議所が策定する「経営発達支援計画」が参考になります。
御社の所在地の計画を参考にしてみましょう。
たとえば、
「当社のある○○市は畜産産業がさかんであり、本事業によりその特性を活かすことができ、」
といった内容を記載すれば良いと思います。
「高い付加価値を創出」に対する記載
次に
「高い付加価値を創出」
ということに関しては、ものづくり補助金では
そもそも要件として
「3~5年計画で「付加価値額」年率平均3%以上の増加等を達成する取組み」
である必要があります。
ですので、たとえば
「本事業によって年率3.5%以上の増加や給与支給総額等の増加を実現し、」
といった感じで記載します。
「地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業」に対する記載
最後に
「地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業」
という文章は、地域未来投資促進法から引用されていると思われます。
この、地域未来投資促進法の「地域未来牽引企業」推薦公募要領のなかに、
地域貢献期待として、下記のような項目を満たすことが期待される事業である旨の記載があります。
・地域内の事業者との取引額の増加
・地域内の事業者の売上の増加
・地域内の事業者の雇用者数又は給与支払額等の増加
・その他、地域貢献期待に関する事項
よって、ここでは上記の観点を参考に、
たとえば
「当社の生産性向上による売上アップにより、畜産関係の仕入元など地域内の取引先の売上の増加や雇用者数の増加も期待できる」
といったことを記載すると良いです。
まとめ
審査項目の政策面を書かずに提出されると、審査にプラスには影響しないと思われます。
普段あまり考えない視点ですが、
御社の事業計画が地域にどのように寄与するかを文章にまとめましょう。